平成21年度町政執行方針
1 はじめに
平成21年厚岸町議会第1回定例会の開会にあたり、町政執行に関する私の所信を申し上げます。
私は、町長の重責を担わせていただいて以来、町民の幸せと厚岸町の発展を願い、その職務に全身全霊を傾けてまいりました。町長2期目の任期も残すところ4ヵ月余りとなりましたが、これまでの町政の執行におきましては、町民の皆さん並びに議員各位の温かいご支援とご理解をいただき、改めて心より感謝とお礼を申し上げます。
私の役割は、豊かな住民生活が永続できる地域社会を形成することにあり、自立的な財政運営ができるための行財政改革に最善の努力を傾注してまいりましたし、町民の皆さんの思いをしっかりと受け止め、さまざまな行政課題にも果敢に取り組んできたところであります。
しかし、現在、世界経済は、100年に一度ともいわれる金融危機に直面し、このため世界的に経済活動が大きく後退しております。
我が国においても輸出、生産、収益が大幅に減少するとともに消費も停滞し、景気及び雇用情勢が急激に悪化しており、地域経済においても景況感が急速に低下しております。
このような経済情勢に対応して、政府は昨年8月に「安心実現のための緊急総合対策」、10月に「生活対策」、さらに12月には「生活防衛のための緊急対策」を打ち出し、これら一連の対策は平成20年度補正予算に盛り込み、可能なものから早急に実行するとされています。
これら国の施策に基づき、厚岸町においても対象事業への取組を進めており、特に「定額給付金」や「子育て応援特別手当」の事業費及び「地域活性化・生活対策臨時交付金」で取り組む事業については、国の第2次補正予算に関連する財源法案の成立を受けて、この町議会定例会において「平成20年度一般会計補正予算」を追加提案する予定でおります。なお、「地域活性化・生活対策臨時交付金」で取り組む事業の実質的な着手は本年4月以降となることから、この執行方針にはその事業も含めておりますことをあらかじめご承知願うものであります。
今の世界的な不況の先行きを見通すことは困難であり、我が国経済も今後の世界金融・経済の先行き次第で変動せざるを得ず、その展望は極めて不透明であるといわれております。
また、衆議院と参議院の多数派が異なる国政においては、衆議院解散総選挙が取り沙汰される中で、政策と政局が混沌とする状況が続いており、このことは地方行政の執行にも影響を及ぼしております。
このような環境の中、厚岸町がおかれる状況はさらに厳しいものがありますが、これからの新たな分権時代に向けて、厚岸町の個性を最大限に発揮しながら、地方自治の可能性を開いていかなければなりません。自治体としての自治能力が大きく問われる今こそ、町民の皆さんとともに力を合わせて、より良い厚岸町をつくることが協働のまちづくりの原点であると考えます。
以上のことを踏まえ、町政執行の基本姿勢と主要施策の概要について申しあげます。
2 町政に臨む基本姿勢
過去稀に見る世界的な金融危機と急速な経済悪化を受け、国民生活と日本経済を守るという観点から、政府が示した平成21年度の予算案は約88兆5千億円で、過去最大となっております。
地方の財源確保についても配慮がなされておりますが、「生活防衛のための大胆な実行予算」と名付けられたこの対応は、次年度以降も継続する恒久的な政策とはなり得ないと考えます。
この平成21年度予算編成の基本方針では、社会保障関係経費の増加を見込む一方で、財政健全化の維持も基本におき、いわゆる「骨太の方針2006」に沿って人件費や投資的経費などの地方歳出が引き続き抑制されており、これらの政策が今後厚岸町へ具体的にどのような影響を及ぼすか現時点では不透明でありますが、今後も厳しい財政運営を強いられるものと認識し、危機意識を持ち続けなければならない状況にあります。
一方、北海道の平成21年度予算編成方針では、赤字再建団体への転落を回避するため、平成20年2月策定の「新たな行財政改革の取組み」に沿った歳出削減の取組をさらに進め、収支不足額の解消に最大限努めることが基本におかれていますし、そのうえで「新・北海道総合計画」に基づき、「選択と集中」の視点に立った施策の優先性を決定するとの基本的な考えが示されております。しかし、雇用対策や地域経済活性化を喫緊の課題として緊縮路線を修正し、景気対策に配慮した予算編成となった結果、一般会計当初予算は、前年度との比較において実質ベースで1.6パーセントの増となりました。このため、起債の発行が膨らみ道債残高は過去最高になる見込みから、今後の財政運営はさらに厳しさを増すことが懸念されております。
このような情勢を踏まえると、厚岸町の行財政運営においては、さらに効率性を重視した経常経費の削減と人件費の抑制を継続するとともに、時代に見合った行政サービスのあり方や役割分担などについて見直しを図ってまいります。
昨年は、4月からスタートした「新・北海道総合計画」に基づき、地域の特性や特色に応じた政策を展開するための「釧路・根室連携地域政策展開方針」が11月に策定されました。一方、広域連携による地域振興に取り組むため、釧路支庁管内町村会が策定した「釧路管内地域づくりビジョン」の具現化に向けた取組作業も進行しております。
また、国では、活力ある地域社会の形成を目指した「地域力創造プラン」の一環として、中心市と周辺市町村が相互に連携して役割を分担しながら生活機能を整備し、圏域全体を活性化しようとする「定住自立圏構想」の推進を新たに掲げております。
これらの施策をしっかりと捉え、厚岸町の地域振興策を選択しながら持続可能なまちづくりに努めてまいります。
本年は、平成22年度からスタートさせる新たな「厚岸町総合計画」の取りまとめの年であります。この取組にあたって、私たちが住む厚岸を改めて見つめ直す「厚岸再発見」の絶好の機会と位置づけ、町民の皆さんの意見などをいただきながら、策定作業を進めてまいりました。いよいよ将来に向かってのまちづくりを皆さんの英知を結集してまとめ上げることになります。厚岸町を孫子の代までしっかりと存続できる未来像を描きたいと思っております。
3 主要な施策の推進
続きまして、主要な施策の推進について、第4期厚岸町総合計画の5本のまちづくりの柱に沿って申し上げます。
(1) 自然と調和した快適な環境づくり
第一は、自然と調和した快適な環境づくりについてであります。
古来より一次産業を基盤として繁栄してきた厚岸町にとって、その恵みをもたらす豊かな自然環境は大切な財産であり、将来にわたってまちが振興発展するためには私たちの営みが自然環境と調和することが重要であります。
厚岸町豊かな環境を守り育てる基本計画において「持続可能な産業と生活のために」と定めた目指す環境の姿を将来に引き継ぐために、6項目の施策の基本方針のもと、102項目の行動指針と13項目の環境定量目標を掲げて取り組んでおり、町民組織である「町民検討会議」と庁内組織である「環境政策調整会議」において2年目の進行管理を的確に行い、町民や事業所などに周知を図り、さらに実行性を高めてまいります。
特に、厚岸町は地形的に山・川・海が相互に関係し合い、その中で大きな役割を担っている河川流域の保全については、上流域の標茶町や標茶町農業協同組合と連携し、地元の釧路太田農業協同組合、厚岸漁業協同組合で構成する別寒辺牛川・ホマカイ川流域環境保全協議会を活動母体として広域的な取組を継続実施してまいります。具体的には4年目となる河畔林の造成と河畔林の適地調査、牛ふん尿の適正処理の現地確認と啓発活動など、両町の町民や団体などと協働して行ってまいります。
また、厚岸湖を中心とした水質保全のため北海道をはじめとする関係機関と引き続き調整検討を進めてまいります。
厚岸町環境マネジメントシステムは、環境への負荷を軽減するために厚岸町の施設はもとより、まちの将来を担う子どもたちにも学校での自主的な活動を促し、引き続き取り組んでまいります。
廃棄物対策につきましては、昨年度に見直した資源ごみの分別による適正な排出処理をさらに進め、リサイクル率の向上に取り組んでまいります。また、発生抑制・再使用・再生利用を基本とする適正処理により、最終処分の減量化を図り、一般廃棄物最終処分場の延命に努めます。
また、町内のきれいな環境を保つための町民ボランティアによる厚岸町クリーン作戦は、年々参加者が増えており、さらに環境配慮への行動が深まるよう継続実施してまいります。
資源ごみを売却した財源で山や河畔への植栽を行う「みどりの循環構想」は、ごみの分別が間接的な森づくりへの参加と環境に配慮した行動であることを広く啓発し、協働のまちづくりの一環として一層取り組んでまいります。
野生鳥獣対策としては、山間部でのエゾシカ駆除頭数を増やし、最近出没が多い湖南地区での駆除を昨年度に引き続き地元猟友会の協力を得て実施し、町民の事業活動や生活への影響の軽減を図ってまいります。
豊かな自然を守り、住みよい生活環境を創出していくためには、公衆衛生や生活環境の向上とともに厚岸湖・湾などの公共用水域の水質を保全することが重要であり、下水道などの生活排水処理施設の整備は必要不可欠であります。このため本年度は、宮園2丁目の国道44号沿いや白浜町公住通りなどの汚水管整備を実施するほか、大雨などによる浸水対策として継続整備を進めております住の江地区に加え、湾月町地区や奔渡7丁目地区の雨水管整備に着手してまいります。
また、現在の公共下水道事業の認可は平成22年度までであり、本年度において社会経済情勢の変化に対応した見直しを行うとともに、今後の下水道整備のあり方を示す「下水道中期ビジョン」の策定に取り組んでまいります。
水道は、町民生活及び社会経済活動に欠かせないものであり、将来にわたり安全で良質な水を安定的に供給していく必要があります。
しかし、企業会計における独立採算性の原則のもと、健全経営を維持するため、これまで徹底した経費の削減に努め収支のバランスを保ってまいりましたが、今日、給水人口や事業所数の減少及び少子高齢化などにより収入が減少する一方で、水道管の老朽化に伴う修繕費の増加により、その経営は大変厳しい状況にあります。
本年度においても収入がさらに減る見通しで、収支不足が生じることから、これまで内部留保した資金を活用する見込みであります。このような現状にありますが、今後もより一層の経営の効率化に努め、老朽管などの更新や水道管未設置箇所の解消など計画的な施設整備に努めてまいります。
また、良好かつ安定的な水道原水の確保のため、水源かん養林の取得を続けてまいります。
次に、道路や河川、住宅、交通施策について申し上げます。
幹線道路については、町道、住の江町通り、太田8番道路の改良舗装事業を継続するとともに、床潭末広間道路の調査設計や用地買収を取り進めてまいります。
生活道路では、光栄、門静、筑紫恋地区の舗装整備と、市街地の損傷の著しい舗装道路のオーバレイ補修工事を取り進めてまいります。また、安全な道路環境の整備として、トライベツ道路の雪況調査を行い、防雪柵の設置を検討してまいります。
公園整備では、以前から門静地区・偕楽園団地と光栄地区において、町民との協働の公園づくりを実践するための計画づくりに取り組んで来ましたが、計画がまとまった門静地区・偕楽園団地においては、地域の皆さんと協働で公園を建設いたします。残る光栄地区についても、引き続き地域の皆さんと話し合いを行いながら計画づくりに取り組んでまいります。
河川事業では、準用河川汐見川と普通河川奔渡川の改修工事を継続し、新たに準用河川汐見川における厚岸翔洋高等学校付近の護岸改修並びに道路拡幅の検討を行ってまいります。また、真龍中学校付近の尾幌2号川支流の転落防止柵の改修を行います。
さらに、別寒辺牛川水系治水砂防施設整備事業では、北海道防衛局から委託を受け、トライベツダム改良後の河川調査と土砂生産源対策の調査設計を継続してまいります。
住環境については、人口減少や少子高齢社会が進展する中、安心・安全な住環境の整備に向けて、厚岸町住宅マスタープランや厚岸町公営住宅ストック総合活用計画に基づき、民間業者との連携を図りながら住環境の向上に努めてまいります。
町営住宅の整備では、白浜団地の公共下水道への接続と奔渡団地の階段手摺の設置、さらには奔渡団地と梅香団地における風呂釜や換気扇の改修など、住環境の改善に重点を置いた整備を取り進めてまいります。
また、火災時の迅速確実な消火活動を展開するため、厚岸消防署の消防ポンプ自動車を水槽付消防ポンプ自動車に更新するとともに、太田地区の消火栓を新設いたします。
災害から町民の生命と財産を守り、安心して暮らせるまちづくりも厚岸町の重要課題であります。近年の地震発生に伴う津波警報の発令時には、慣れによる避難率の低下が課題となっています。このため、ハザードマップを改訂し、全戸に配布することによって早期避難や災害時の助け合いなど自主防災行動の重要性について町民の理解を高めるとともに、関係機関の協力を得て地域自治会や各種団体と連携した取組により防災意識の向上を図ってまいります。
避難場所については、床潭地区1ヶ所に簡易避難施設の設置を行うとともに、街灯未設置の避難場所3ヶ所に太陽電池灯を新設し、避難時の環境改善を図ります。災害発生に備えて、災害時要援護者支援プランの取りまとめに目途がついたことから、個人情報の取り扱いのルール化を図り、併せてモデル地区を選定し、協力連携して災害時要援護者名簿の登録を進めてまいります。
また、耐震改修促進計画に基づいて耐震改修相談窓口を設置し、簡易耐震診断を行うとともに、住宅耐震改修補助制度の情報提供を積極的に行い、建築物の耐震化の促進に努めてまいります。
大雨や高潮による道路の冠水対策では、港町地区の町道嵩上げと奔渡町港通りの越波対策として防潮壁を設置いたします。
字名改正事業については、平成12年度から取り進めてまいりましたが、本年度は、湾月町、若竹町、松葉町、梅香町の各地区の整理を行い全ての事業を完了いたします。
鉄道やバス輸送の公共交通は、住民生活に欠かせない交通体系として持続的な確保が必要であります。路線バスと町有バス全体の枠組みの中で、より効果的な運行体系を整えるため、スクールバスの住民利用を全路線で実施するとともに、町内高校の通学に対し有効に路線バスを走らせるなど、利便性の向上に努めてまいります。
(2) 活力に満ちた豊かな産業の育成
第二は、活力に満ちた豊かな産業の育成であります。
まず、農業についてであります。
酪農情勢は、グローバル化した国際情勢のもと、輸入穀物や石油系製品、燃油価格が高騰し、農家経営に及ぼす影響が大きく、乳価は昨年4月の値上げに続き異例となる年度内二度目の改定に加え国の緊急追加対策のほか系統団体などによる緊急支援対策が行われました。
高騰していた穀物や原油価格はピーク時から比べて下降したものの、特に穀物相場は生産コストに見合うレベルではなく高止まりしております。
一方、オーストラリアをはじめとするEPA(経済連携協定)やFTA(自由貿易協定)交渉のほか、現在中断しているWTO農業交渉の行方によっては、大きな打撃を受けることが懸念されております。
このため、基幹産業の一つである酪農の存続を図っていくための経済支援策と関連対策の充実を、行政はもとより関係機関や団体と一体となり、機会を捉えて国へ強く働きかけてまいります。
釧路管内における酪農は自給飼料に立脚した経営を目指し、生産資材の価格高騰などに左右されない恵まれた自給飼料基盤をこれまで以上に活用した経営の確立と、優れた担い手の育成・確保に向けた取組が必要と考えております。
厚岸町の酪農においても、良質粗飼料を確保する草地整備事業の継続実施と農業協同組合で運営するコントラクター(農作業受委託)事業に用いる作業機械の導入を進め、低コストで効果の高い酪農支援システムの強化と充実を図り、草地型酪農経営を推進してまいります。
農道整備では、太田6の通りほか2路線を幹線とする「道営太田第2地区集乳道整備事業」と、糸魚沢と若松地区の2路線を幹線とする「道営別寒辺牛地区道路整備事業」を継続して進めてまいります。
また、家畜の飼養頭数の増加と飼養形態の変化によって、不足する飲雑用水を確保するための「道営営農用水事業」を引き続き実施してまいります。
町営牧場では、道営事業で整備を進めていた別寒辺牛団地の基盤施設などと町独自による大別団地の飼育施設を改修整備する工事が完了したことにより、各団地における育成牛の受入体制と飼育環境の充実を図ったところであります。
今後も、酪農家個々の飼料自給率の向上と低コストで優良後継牛を確保する酪農支援システムにおける町営牧場の果たす役割は大きく、引き続き牧場運営経費の節減と飼養管理技術の向上に努め、酪農家の事業継続に対する期待に応えてまいります。
次に林業施策について申し上げます。
森林には、私たちの生活に欠かすことのできない木材生産のほか、厚岸町の基幹産業である水産業の資源増殖や酪農環境の保全に大切な役割を持っており、また水源確保には森林のもつ公益的機能が不可欠であります。生活を支える重要な社会資本として河川流域とそれにつらなる山間部の多様な森林造成が必要であると考えております。
町有林につきましては、より森林のもつ公益的機能が増進するよう樹木の少ない林地への植栽、成長を促す保育下刈・枝打ち・除間伐、複層林化を図る受光伐を行い、長期的な視点に立った施業を進めてまいります。
私有林につきましては、森林のもつ公益的機能の発揮に向けた適切な森林整備を支援するとともに、森林施業の集約化を図るために森林整備地域活動支援交付金事業を継続実施いたします。また、民有林振興対策事業や森林整備担い手対策推進事業を引き続き実施し、森林所有者が主体的に森林の整備や保全を行うよう厚岸町森林組合を支援し、その振興を図ってまいります。
片無去地区の森林の適切な施業・管理のために平成18年度に着手した森林管理道開設事業は本年度の施工をもって完了いたします。
また、これまで対象とならなかった一般民有林と町有林の高齢級間伐を、昨年度に創設された美しい森林づくり基盤整備事業により行ってまいります。
10年計画で活動してまいりました別寒辺牛川支流源流部での町民の森植樹は、本年度が最終の10年目を迎えます。年々、参加者が増え昨年度は過去最高の501人もの参加があり、道内屈指の植樹祭として関係機関の評価を得ております。
厚岸町としては実施主体であります町民の森造成実行委員会を支援し、多くの皆さんに植樹を通じて自然環境の保全や森づくりの大切さなどを体感していただき、森林を未来に継承し環境保全を図る厚岸町の取り組みとして町内外にアピールしてまいります。また、翌年度以降も同様のボランティア植樹を継続実施するよう関係団体と検討いたします。
山地の崩壊などから町民生活の安全と財産を守るために、本年度は太田宏陽・奔渡・松葉町・筑紫恋地区の5カ所において予防治山及び復旧治山工事を、また末広・若松地区の4カ所において保安林改良工事を北海道が事業主体となり実施する予定でありますが、さらに危険が予想される地区の予防治山工事を北海道に要望してまいります。
きのこ菌床センターは、きのこ生産を核に上尾幌地区を中心とした新たな産業興しと生産者を育成することを目的として、平成8年からきのこ菌床を製造して生産者に供給してまいりました。道内のきのこ産地は企業経営が多いのに対して、町内のきのこ生産は個人経営が生産量を増やしてきております。近年の菌床は、早期に収穫できる短期培養型が主体で、生産者の栽培数量は増加する傾向にあります。今後も、菌床製造コストの縮減を図りながら高品質な菌床の安定供給に努めてまいります。
次に水産業についてであります。
漁業情勢については、総体的に魚価の低迷が依然として続き、加えて昨年の燃油価格の高騰もあり、漁業経営は総じて厳しい状況が続いております。
こうした中、沿岸の資源増大と漁場管理対策として、大黒島沖にタコやカレイ、ホッケを対象とした魚礁設置が北海道により引き続き行われます。また、漁業協同組合が例年実施してきているヒトデ駆除事業や昆布漁場改良事業などの各種事業に対する町の支援を継続することにしており、この効果的な事業展開が図られるよう釧路地区水産技術普及指導所などの関係機関とも連携を強化してまいります。
厚岸漁港においては、厚岸地域マリンビジョン計画に沿って、若竹第一埠頭の静穏域確保のため、護岸や岸壁の整備が本年度の完成を目指して実施されるほか、岩盤などの出現により昨年度で完成できなかった湖内航路の浚渫についても、本年度の完成を目指し引き続き実施される予定となっております。
また、地域の長年の悲願が叶い昨年度着工となった門静地区の漁港整備については、平成23年度の完成を目指して事業費が集中的に投入され着実な工事の推進が図られる予定となっております。
さらに、食の安全・安心に対する消費者意識が高まる中、水産物の供給拠点である真竜岸壁の衛生管理型漁港施設の調査検討が引き続き進められるとともに、懸案となっておりました港町北側護岸施設の冠水対策についても検討が始められる予定になっております。
床潭漁港については、地元から新たに外防波堤の設置要望が上がってきており、北海道とともに次期計画への登載に向けた検討を進めてまいります。
また、海岸保全事業については、漁港海岸と建設海岸の合わせて約28キロメートルに及ぶ保全対象区域の中、多くの保全要望を受けており、計画的に推進されるよう引き続き北海道と国に強く要望してまいります。
カキ種苗センターにおける、カキ種苗や餌料藻類の生産にあたっては、より一層の技術の向上に努め、良質なカキ種苗や餌料藻類を漁業者や種苗生産機関などへ安定的に供給してまいります。また、厚岸海域における水質調査や養殖試験などを引き続き実施しデータの蓄積を図り、厚岸独自のカキ養殖技術の向上のため、漁業者への情報提供に努めてまります。
太宗漁業であります昆布については、昨年心配された流氷の影響も少なく前年並みの生産量を維持した中、全道的な減産や消費者の国内産志向の高まりから価格が値上がりしたところですが、釧路産昆布の消費は引き続き低迷しております。このため、消費拡大への取組を継続支援していくとともに、輸入割当制度(IQ)の堅持と原産地表示の義務化に向け、漁業協同組合と連携し、国に対して要請していきたいと考えております。
近年、消費者の食の安全・安心に対する関心は、次々と発生する食品問題から非常に高まっており、食品の衛生管理が大きな社会問題となっております。こうした中、厚岸町で生産される安全で良質な水産物の供給体制を整えるためには、漁業者、市場関係者、加工場、買受人、販売人、流通業者など関係者の一体となった取組が必要なことから、水産物の衛生管理講習会の開催や衛生管理型漁港施設の検討などを通じて、品質管理や衛生管理に対する共通認識を深め、地域の実体に即した地域ハサップの取組を進めてまいります。
次に商工と観光についてであります。
世界的な金融危機による急激な景気低迷は、輸出にけん引されてきた国内の企業の業績に大きな影響を与え、雇用の悪化による先行き不安が増幅し、経済活動の萎縮がさらなる萎縮を招く事態になっております。
厚岸町においても、少子化や転出による人口減に加え、昨年の燃油価格の高騰による生産コストの上昇、個人消費の低迷や輸出の鈍化による販売数量の減少、加えて公共事業の削減やさらなる大型店舗の進出などもあり、地元企業などの多くは業績が低下する厳しい経営を強いられております。
このことは、資金融資の緊急保証制度活用実績の増加にも現れてきており、こうした商工業環境を踏まえ、町内金融機関などの協力を得ながら各種公的資金や町融資制度の周知と活用促進を図るほか、商工会などの関係機関や団体と連携して、販路の拡大や経営基盤強化のための情報提供を行い、経営の自立安定に向けた支援に努めてまいります。また、都市圏における物産展などへのイベント参加による特産品のPRも継続して行ってまいります。
なお、国の緊急対策として平成20年度第2次補正予算に計上された「地域活性化・生活対策臨時交付金」の充当事業には、地元企業などへの波及効果に十分配意した各事業の選択を行っておりますし、また、生活支援の定額給付金の給付に際しましても、厚岸町の経済に結びつくよう地元商店会などと連携して地元消費を促してまいります。
今日の景況において、雇用環境はますます厳しくなっておりますが、国の交付金により北海道が基金を造成し、平成21年度から3ヵ年で行う「緊急雇用創出事業」の実施を行うことにしており、本年度の早い時期に役場の臨時作業職員として雇用を増やし、道路周辺などの環境整備作業に充てる予定でおります。さらに、先に述べた「地域活性化・生活対策臨時交付金」事業においても雇用効果に結びつくよう配意してまいります。
また、季節労働者や失業者の通年雇用の促進につきましては、釧路地区通年雇用支援促進協議会をはじめ、ハローワークや釧路支庁などの関係機関と密接な連携を図り、さらには厚岸町雇用対策連絡協議会を活用して、雇用機会の確保と安定に努めてまいります。
消費者を取り巻く社会環境は、特に高齢者などを狙った悪質な訪問販売や振り込め詐欺・架空請求などの犯罪が後を絶たず、さらに巧妙化して若年層にも被害が及んでおります。北海道や全道市町村のネットワークによる情報の共有や周知広報と、警察及び金融機関での被害防止策が功を奏して、振り込め詐欺の被害件数が減少してきていますが、本年実施される定額給付金の給付をターゲットにした詐欺行為が懸念されております。このため、特に高齢者や障害者に対するきめ細かな注意喚起と支援に努めてまいります。
観光施設では、昨年、子野日公園の散策路の整備を終え、年次計画による一連の環境整備を終えました。本年も厚岸を代表するイベントの桜・牡蠣まつり、あやめまつり、牡蠣まつりを関係団体などと連携し開催してまいります。また、イベント会場のみならずまち全体での歓迎色を高めるために「のぼり」を町中に掲揚する取組をすることにしております。
近年の観光客の入込数は、全道及び管内的に減少傾向にあります。
旅行形態が趣味や体験を目的とした体験型観光への移行が進んでおり、観光客の足を運ばせるような魅力づくりが必要です。このため、釧路町・厚岸町・浜中町広域観光推進協議会においては、三町の体験メニューを活用した観光ルートづくりに取り組んできており、これの商品化を図る誘致活動を進めることにしております。
地域の魅力アップには、固有の資源を活かし、新たな観光資源を創造することが求められますが、何よりそこに暮らす人々との交流が大きな魅力になります。
このため、観光協会との連携のもと、町民一人ひとりが、常に「おもてなしの心」を持って接する気運をつくり出すなど、観光基盤づくりに努めてまいります。
厚岸道立自然公園の国定公園化については、漁業者の間において厚岸湖内における漁業活動への将来的な制約が懸念されていることから、その不安を払拭するため、漁業協同組合や北海道とも精力的に協議を進めてきましたが、残念ながら未だ合意に至っておりません。今後も北海道などの関係機関や団体と調整を図りながら、漁業関係者の不安が解消されるよう引き続き努力してまいります。
味覚ターミナル・コンキリエを管理運営する第三セクター・株式会社厚岸味覚ターミナルの営業経営状況は、低迷する経済情勢の影響から観光来館者の数が落ち込むとともに、消費金額の減少や冬季営業の収支バランスの悪さなどから、経費縮減などに努めてきているものの経常収支で赤字が続いており、今日の自助努力のみによる経営改善は限界にきている状況であります。現在の景気動向からは、しばらくは情勢の好転は見込めず、このままでは累積赤字が積み重なって経営破綻に陥ることが大きく懸念されております。
味覚ターミナル・コンキリエは、厚岸町の基幹産業の振興と他産業への波及効果による地域経済の活性化を目的に建設されました。集客機能を充実させ、地場産品の消費拡大と新たな販路拡大への波及効果を狙ったもので、特に「食」と「味覚」を魅力に厚岸の知名度を高め、まちの観光振興を誘導するアンテナショップとしての役割をもった中核拠点施設となっています。今や、道の駅として道東観光ルートの重要なポイントに位置づけられており、これまで訪れた観光客から高い評価を得ております。厚岸町及び近隣観光圏域へ波及する影響を考慮するとき、当該施設は通年営業を継続して、道の駅としての機能を持ち続けることが厚岸町の観光振興において不可欠であります。
このような現況から、当該施設の管理運営を委託するにおいて、収支バランスを図るために行った過去の支援対応の考えを復活させ、観光客の閑散期間の営業継続に対する支援負担を委託料に加える対応について予算計上しております。
この委託料の増額措置と自助営業努力が合わさった経営の安定化は、現場従業員のモチベーションに大きく作用し、味覚ターミナル・コンキリエが持つ役割機能のさらなる充実に結びつくものであると考えますし、さらに従業員の意識向上と経営の健全化に向けた取組を促してまいります。
(3) 健やかな笑顔あふれるきずなの形成
第三は、健やかな笑顔あふれるきずなの形成であります。
町民の健康保持増進については、町民がつくる健康なまちづくり計画「みんなすこやか厚岸21」に基づいて取り組んできておりますが、2年目を迎える特定健診や生活習慣健診制度では、より多くの町民が健診を受けられるよう受診勧奨に努めるとともに、生活習慣の改善にむけた受診後の保健指導を積極的に推進してまいります。同時に、感染症予防対策として、接種勧奨による「麻しん」「風しん」の撲滅や、新型インフルエンザ行動計画の具体化に努めてまいります。
また、安心して出産ができる環境づくりとして、妊婦健診費用の公費負担を、2回から14回に拡充し、経済的負担の軽減を図ってまいります。
高齢化が進む中、高齢者の単身世帯と夫婦のみ世帯の合計が28.8パーセントを占め、在宅生活支援や介護予防施策がさらに重要になっており、支援サービスの適切な提供に努めるとともに、多様化するニーズに対応する権利擁護などの相談窓口機能の充実や高齢者サポート体制のあり方を検討するなど、在宅生活支援の拡充を進めてまいります。
特別養護老人ホーム心和園の増築事業は、平成22年度の供用開始を目指し工事に着手いたします。完成時には入所施設18床、短期入所施設10床の増床となり、療養病床再編に対応した施設サービスの充実が図られることになりますが、増床に伴う必要な介護職員などの確保に万全を期してまいります。
障がい者施策は、障害者自立支援法の見直しとともに、身体、知的、精神の三障がいはもとより発達障がいなどを含めた種別に関わらない総合的な支援のあり方が検討され、大きな転換期を迎えています。それにより一層の専門的な知識と、障がい者やその家族を支える支援の体制構築と拡大がますます必要となってくることから、それぞれのライフステージにあったニーズに応えられるよう北海道や圏域の各支援センター及び町が連携し体制構築の強化を進めてまいります。
また、地域の一体となった支えを受け、障がい者の新たな日中活動の拠点の場の整備を図り、社会福祉協議会やボランティアの参加促進を進め、併せて障がい者団体、民生委員児童委員、各相談員、北海道の専門相談所などが相互に連携し活動を活性化させることで、地域での障がい者の生活を支える基盤を整備しつつ、地域活動支援センターの機能の充実や障害福祉サービス事業所と行政との情報の共有・連携を図るネットワーク化の推進に努めてまいります。
さらに、健診業務や専門支援相談を重視し、幼少期からの障がいの早期発見と子ども発達支援センターを中心とした早期療育の確保に努めるとともに、保育所・幼稚園や学校教育へのスムーズな移行を図る取組を進めてまいります。
なお、これまでの各種制度の利用者負担・サービスのあり方については、法の見直しの経過を踏まえつつ引き続き適切な対応に努めながら、障がい者本人が望む自立に向けた可能なサービスの提供を図ってまいります。
障がい者施策の基本的な方向と主要施策を示す「厚岸町障がい者福祉計画」の見直しを図りながら、実施については「厚岸町障がい福祉計画」を基に取組を進めてまいります。
児童福祉施策では、一昨年から実施の妊婦健診通院費支援や出産祝金支給、保育所・幼稚園の保育料助成など少子化・子育て対策の事業を本年度も継続し、制度の周知と利用の促進に努めるとともに、乳幼児や児童の健やかな成長を支えゆとりある保育の実現のため、子育て支援センター業務の充実と併せて、社会福祉協議会が本年度から実施する「ファミリーサポートセンター事業」を支援することで、子育て世代にある若い方々の多様な保育ニーズにお応えし、出産・育児における経済負担の軽減と心のケアを図ってまいります。
保育所及び児童館運営では、老朽化した保育所施設を中心に外壁、屋根、暖房設備、保育室などの改修工事を実施してまいります。また、これまでに実施できていなかった厚岸・宮園保育所での1歳児保育及び宮園保育所での障がい児保育の早期実施を検討するとともに、延長保育のあり方についても現体制での可能な範囲での見直しを進めてまいります。
さらに、休所中の旧奔渡保育所については、高齢者と子育て家族、障がい者と地域住民の皆さんが集い支え合うことで、介護や子育てに共に参加し、障がい者も含めた新たな交流の場として共生型のコミュニティ-空間を創造する「厚岸町ともに暮らすまちづくり事業」により、今までにない新しい試みとして地域と一体となった施設への転換を図ってまいります。
具体的な子育て支援に係る取組や目標については、本年度見直しを行う「厚岸町次世代育成支援行動計画」の中で示しながら取組を進めてまいります。
次に、介護保険会計及び介護サービス事業会計であります。
要介護者などを社会全体で支え合う介護保険制度は、スタートして10年目を迎えますが、平成21年4月から「第4期厚岸町高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画」に基づいた事業を展開します。新しい計画は平成18年の制度体系と大きく変わらないものですが、計画目標の着実な展開を目指すとともに、介護予防事業及び地域支援事業の充実に努めてまいります。
介護サービス事業では、特別養護老人ホーム及びデイサービス事業において、引き続き利用者の立場に立ったサービス事業の提供に努めてまいります。また、在宅の要支援者に対するケアプラン作成事業では、地域でのさまざまなサービスや資源を活用した包括的・継続的な支援体制の充実に努めてまいります。
国民健康保険会計は、医療保険制度が頻繁に見直しされる中、引き続き厳しい運営が予想されることから、特定健診などの推進による医療費の抑制や、保険税の収納率の向上など給付財源の確保に努めるほか、関係機関と連携して制度の安定化に向け、国などに抜本的な支援策を要請してまいります。
また、平成20年度からスタートした、後期高齢者医療制度について、北海道後期高齢者医療広域連合と連携を密にし、被保険者からの声を反映した円滑な事業の運営に努めてまいります。
次に病院事業会計についてであります。
町立病院は、町民の命と健康を支えるため、地域を知り、地域と共に生きる診療活動を通じて、町民に厳しさを増す地域医療の現状の理解を願い、信頼される医療の提供とへき地医療を学ぼうとする人々が集う活力ある病院づくりを進めてまいります。
診療科目としては、内科、外科、小児科を中心に、町民のニーズにあった整形外科、脳神経外科、循環器内科などの専門外来を実施し、患者の健康問題をはじめの段階で判断をし、家族や地域社会の背景を把握しながら治療にあたる「かかりつけ医」の診療活動を基本として、医師及び医療技術員の確保を図り、良質な医療サービスの充実に努めてまいります。
病院経営については、町立厚岸病院改革プランにより、さらなる医業収益の確保と経営改善の取組を行い、単年度収支の均衡と不良債務及び地方公共団体の財政の健全化に関する法律施行令にかかる資金不足の解消に努めてまいります。
また、新たな取組として、作業療法士の採用によるリハビリテーション医療の充実ほか、遠隔地画像診断システムを導入してCT(コンピュータ断層撮影装置)画像を道外総合病院に転送し専門医によるリアルタイム画像判断の実施や、老朽化したMRI(磁気共鳴画像撮影装置)を廃棄し、釧路市内の総合病院との医療連携を行い、町立病院としての規模にあわせた医療の展開をしてまいります。
なお、厚岸郡の救急医療については、医師対医師の情報提供により、救急患者の受け入れを最寄りの診療機関で対応する病診連携で進めてまいります。
(4) 心豊かで生きがいに満ちた人づくり
第四は、心豊かで生きがいに満ちた人づくりについてであります。
町民一人ひとりが生涯を通じて、心豊かに、健やかに生活を営むことができるよう、教育委員会と連携し、充実した教育環境づくりを進めていくことも行政の重要な役割であります。
そこで、私に関係する教育行政について申し上げます。
安全で安心な学校施設の整備が求められる中、本年度は片無去小中学校の耐震診断事業を実施し、安全性や防災性の確保が図られているか確認をしてまいります。
道立高校の再編計画により取り進められた厚岸町内2校の高校再編につきましては、いよいよ4月から新設校として「厚岸翔洋高等学校」が開設されることとなりました。厚岸町議会をはじめ、町内各団体との一致した要請活動を展開してきたこともあり、普通科2間口と海洋資源科1間口で平成21年度の生徒募集が行われたところであります。新しい高校が、魅力ある学校として、町内の中学生の進学希望者がさらに拡大するよう、本年度から町内の高校に通学するための交通費助成を行い、保護者負担の軽減を図ってまいります。
また、老朽化により一時的に支障を来すこともあった温水プールの暖房設備の更新を行い、施設環境と利用者の利便性の向上を図ってまいります。
(5) ふれあいと創意で歩む地域社会づくり
第五は、ふれあいと創意で歩む地域社会づくりであります。
先にも申し上げたとおり、「第5期厚岸町総合計画」の策定作業は、これから終盤を迎えます。
昨年は、この総合計画の策定に向けて、一般及び小・中学生の「町民意識調査」を行うとともに、各地区で開催した「まちづくり地域懇談会」や「一団体一提言」にて町民の皆さんから多様な意見や提言をいただきました。現在は、各分野別にそれぞれの所管課において関係団体などとの懇談による意見収集を進めているところであります。
地域の特徴を生かした自主的かつ総合的なまちづくりを進めるには、住民とともに歩む行政運営に努めなければなりません。町民の皆さんからいただいた厚岸町への熱き想いを大事にして、総合計画の策定作業にあたってまいります。
道州制を視野に入れた北海道から市町村への権限移譲が進行しておりますが、厚岸町においても町民の利便性の向上を念頭におき、可能なものは積極的に受けております。
この権限移譲の一つとして、本年10月からは、旅券法に基づく一般旅券いわゆるパスポートの発給申請受理、及び交付を行う新しいサービスをスタートさせてまいります。これまで最低でも2回以上釧路支庁に出向いての手続きが必要でしたが、役場での手続きを可能とすることで、利便性の向上と住民負担の軽減を図ってまいります。
次ぎに、国際交流についてであります。厚岸町との姉妹都市であるオーストラリア・クラレンス市長から、本年5月頃に市民代表団6名程度による厚岸町への公式訪問の意向が示されております。
これが実現しますと6年振りの訪問となりますが、厚岸町としては、喜んでお受けする考えでおります。
詳細な日程などにつきましてはこれからの調整になりますが、できるだけ相手の意向に添った対応を行う考えでおりますし、これの実現に際しては、多くの町民の皆さんに親交を深めていただきたくよう準備にあたってまいります。
次に平成21年度の財政運営についてでありますが、その指標となる地方財政計画が第171回通常国会に提出されるとともに一般に公表されたところであります。
このうち地方交付税については、「生活防衛のための緊急対策」として従来までの算定分とは別枠で1兆円が加算され、うち5千億円は新たに「地域雇用創出推進費」とし、雇用情勢の厳しい自治体に重点配分するとされたところでありますが、地方自治体への配分額ベースでは約15兆8千200億円で、平成20年度当初に比較して約4千100億円の増、率にして2.7パーセントの増となっているところであります。
厚岸町における地方交付税については、国の示した地方財政計画の要因を考慮するとともに、さらに当町独自の減額要素を加味した推計では、平成21年度地方交付税は、平成20年度当初比較で、約2千800万円の増、率にして0.9パーセントの増、臨時財政対策債を含めると約34億9千300万円となり、平成20年度当初比較で約1億4千万円の増、率にして4.2パーセントの増となるところであります。
町税については、主に法人町民税、固定資産税、たばこ税の減収により、平成20度当初に比較して約5千900万円の減額を見込まざるを得ず、町税総体では約10億円台を確保した推計となっているものの、今後の経済情勢によっては、さらに減収となる可能性も想定しその推移などに慎重な対応をしていく必要があります。
平成21年度一般会計予算案につきましては、平成20年度に引き続き、人件費の独自削減、公債費の減などがあるものの、これら義務的経費以外の経費は、ゼロシーリング、一件審査で予算編成を行ったところでありますが、その結果、平成20年度と同様、歳入歳出の収支均衡を図ることができず、最終的には、約5億7千500万円の収支不足となり、この補てん財源として各種基金を同額取り崩し、収支の均衡を図ったところであります。
今後、健全財政運営を維持して行くためには、本年4月1日から「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」が全面的に施行され、平成20年度決算から適用されることを踏まえ、一般会計のみならず、各特別会計、公営企業会計などの状況について、収支、経営状況などを適切に把握し、財政状況を全体として的確に分析した上で、総合的な財政健全化の推進が必要不可欠であります。
歳入においては、貴重な自主財源である町税等税収確保のため、関係機関と十分連携し収納率向上と税負担の公平性確保に努めるとともに、歳出においては、行政サービスを低下させることなく効率的な予算執行により各種事務事業に係る経費縮減を図りながら、持続可能な財政基盤の確立を最重点におき、第4期厚岸町総合計画の仕上げとなるよう目標達成に向けて実効性の高い施策の展開に取り組んでまいります。
4 むすび
以上、平成21年度の町政を執行するにあたっての基本姿勢と主要な施策の概要について申し上げました。
先行き不透明な厳しい社会経済や雇用環境の中、地方自治体を取り巻く情勢の変革や行政課題も山積しておりますが、私は、たとえ困難な道であっても、それを乗り越え、町民生活を支える基礎自治体としての基盤を維持していくためにも、「協働のまちづくり」の視点から社会資本整備や行政サービスのあり方についての検証を進めるほか、周辺市町村との広域連携による事務事業の効率化にも配意しながら、行政経費の縮減に努め、持続的発展が可能なまちづくりに取り組んでまいります。
私は、昨年を町民の皆さんが住んでいるこの厚岸を改めて見つめ直す好機として、「厚岸再発見元年」と位置づけさせていただきました。
その上で本年度を「厚岸再発見2年目」として、将来に向かってのまちづくりの姿を町民みんなで描いていくことが大切なことと感じております。
昨年度予算化され、1年かけて作成した厚岸町要覧「厚岸-とわの森から、とこしえの海へ」を、この4月に町内全世帯へ配布いたします。これは、まちの姿を人を介して紹介する「読み物」としての視点を重視し、まちの個性を表現するため、住む人々の暮らしや活動を生き生きと紹介したものです。町民にとって「我が町を再発見」する媒体となり、まちの自然や産業、文化、歴史など、改めて厚岸町の魅力と良さを感じ取ってもらえるものと信じております。また、厚岸町を初めて知る人にとっては、この要覧が厚岸を知る地域情報の発信となるものであります。
町民の皆さんが、何がまちの魅力かを原点に返って考え、厚岸の良さを再認識し、まちに誇りと自信を持って将来に向かって歩むことができれば、誰もが住み良い、住みたくなる、来たくなるまちづくりが実現でき、素晴らしい厚岸になれるはずです。
町民一人ひとりが「厚岸町に住んでいることに誇りと自信を持てる」まちづくりに向けて、町民の皆さんと力を合わせ、厚岸を愛する住民パワーを高めながら、今まで述べてきた諸施策の実現に向け全力を傾注してまいります。
町民の皆さん並びに議員各位の一層のご理解とご協力を心からお願い申し上げます。
