平成22年度教育行政執行方針

 

1 学校教育の充実

 

2 社会教育の推進

 

3 スポーツの振興

            【全文:PDFファイル209KB】 


 平成22年厚岸町議会第1回定例会の開会にあたり、教育委員会が所管する行政の執行について、その方針を申し上げます。

 

 我が国では、平成21年8月の新政権発足による政策の転換が進められている状況にあります。これを受けて、教育関係においても計画の見直し等が行われておりますが、教育の根幹に関わる基本的な考え方に変わりはないものと受け取っています。このような中、教育委員会といたしましては、新学習指導要領への円滑な移行をはじめとして、未来を担う児童生徒の健全な育成と夢や希望の実現に向かって「生き生きと学ぶことができる学校教育の充実」及び、「町民生活に潤いと活力を生み出すための文化・スポーツの振興と普及、充実」に向けた取り組みを展開してまいりたいと存じます。

 

 本年度の教育行政執行方針の策定にあたりましては、第5期厚岸町総合計画の行動計画・第4章「個性と感性がきらめくまちづくり」の方向性に沿って、さらには関係する法令の趣旨及び昨年度の教育行政執行方針に対する検証を踏まえ、本町の実情に応じた教育振興を図るべく、関係部局や関係機関との連携を深めながら、所管する施策を推進してまいります。

 以下、本年度の主要な施策について申し上げます。

 

 第一は、学校教育の充実についてであります。

 

 学校教育におきましては、小学校では平成23年度、中学校では平成24年度から新学習指導要領が完全実施となります。平成22年度は、移行内容への対応について一層、慎重かつ確実な準備作業が必要となります。

 

 新学習指導要領においても、「生きる力」をバランスよく育成していくという基本理念に変わりがないことから、その趣旨を十分に踏まえ、児童生徒及び保護者の期待に応える魅力ある学校づくりを進めることを基本方針として、次の7つの重点に取り組んでまいります。

 

 重点の1は、「確かな学力の育成」であります。

 学校においては、基礎的・基本的な知識・技能の習得と活用を通じて、思考力、判断力、表現力等をバランスよく伸ばしていく中で「確かな学力」の育成が求められております。そのための施策について申し上げます。

 

 1点目は、基礎的・基本的な知識・技能の習得についてであります。各教科の指導にあたっては、これまでも、チームティーチングや少人数指導、発展的な学習や補充的な学習を積極的に取り入れ、指導方法の工夫による個別指導への対応に努めてまいりましたが、引き続き、きめ細かな指導の充実に努力してまいります。

 

 2点目は、授業改善と学習及び生活習慣の改善についてであります。これまでの「全国学力・学習状況調査」他、各種調査から、学習指導のあり方や児童生徒の帰宅後の過ごし方など、調査結果に基づく課題に対応した取り組みに努めてまいります。特に、学習意欲を高めるための授業改善や家庭における学習及び生活習慣の改善に向けた指導など、家庭との連携協力を得ながら進めてまいります。

 

 3点目は、外国語指導助手(ALT)の増員であります。新学習指導要領の改訂における、小学校での「外国語活動」の導入により、学校支援及び授業の充実を視点としてALTの1名増員をいたします。

 これにより、小学校の外国語活動はもとより、中学校の英語指導の充実も図りながら児童生徒の学ぶ意欲の高揚に努めてまいります。

 

 重点の2は、「豊かな心の育成」についてであります。

 児童生徒に、自他の生命や人権を尊重する心、思いやりの心、規範意識や公徳心、自然を愛する心など、豊かな心を育むための施策について申し上げます。

 

 1点目は、心の教育の充実についてであります。子どもの豊かな心は、自然との触れあいや人との関わりなどの体験を通じて育まれることから、学校教育においては、道徳の時間を要として教育活動全体を通して道徳教育を行う必要があります。そのために、体験的活動を積極的に位置づけ、道徳の時間と各教科や特別活動、学校行事との関連を図った一体感のある指導や道徳授業の質的改善に努めてまいります。 また、本年度より、「他の模範となる児童生徒の表彰」に取り組みます。スポーツ等の優秀者のみならず、日常の学校生活における児童生徒の真摯な態度や取り組みを評価し、表彰することを通じて、人と人とのつながりを大切にする心や向上心を高めながら、心の教育の充実を図ってまいります。

 

 2点目は、生徒指導の充実についてであります。いじめの問題や不登校については、今日的な課題の一つとして捉え、学校と教育委員会の連携により迅速かつ適切に組織的な対応ができる体制を維持してまいります。「いじめは絶対に許されない行為であること」の認識を基盤とし、「いじめ根絶に向けた一学校一運動」や「学級満足度調査」「いじめ実態調査」の継続実施による早期発見と早期対応に努めるとともに、引き続きスクールカウンセラーを配置し、学校の教育相談機能の充実と児童生徒の心の成長の側面を支援してまいります。

 

 重点の3は、「信頼される学校づくり」であります。

 1点目は、「学校評価の充実」と地域家庭との連携についてであります。これまでも、「開かれた学校」を目指して参観日や学校行事を積極的に公開し、学校便りや学校評議員を通じて学校情報の発信に努めてまいりました。本年度におきましても、学校評価の充実と積極的な公表に努め、学校の教育活動に対する家庭や地域の皆様の理解と協力をいただきますとともに、学校・家庭・地域が共通の課題意識を持って連携・協力できる体制を整えてまいります。

 

 2点目は、「教職員の資質向上」についてであります。学校現場において教職員の資質向上を図ることは、信頼される学校の基盤として大変重要なことであります。また、新学習指導要領の完全実施が迫る中、円滑に移行するための準備やそれに応じた授業改善や指導力向上に向けた研修体制の充実が必要であります。そのために、教職員個々の課題や研修計画に応じて各種研修会や講座等への参加促進を図るとともに、指導室及び教育局指導主事による学校教育指導を通じて、教職員の実践的な指導力の向上及び授業改善に努めてまいります。

 

 3点目は、「郷土の歴史・文化に関する教育」の推進についてであります。地域から信頼される学校づくりでは、地域に根ざした教育が重要であることから、まず、自分が住んでいる町の文化や歴史を学ぶ「ふる里教育」を推進してまいります。この学習の一環として、本年度より「厚岸音頭」を学校教育に組み入れ、児童生徒への普及を図ってまいります。昭和47年の厚岸大橋完成を記念して作られた「厚岸音頭」を、郷土に受け継がれた貴重な文化活動の一つとして永く継承していくことを通じて、地域に根ざした教育の一環として展開してまいります。

 

 重点の4は、「健康・安全に関する教育」の推進についてであります。

 1点目は、健康面についてであります。児童生徒の健やかな成長を願い、歯の健康や喫煙・薬物乱用防止、食に関する指導、「早寝・早起き・朝ごはん」運動を継続していくとともに、町民がつくる健康なまちづくり計画「みんなすこやか厚岸21」と連動した中で取り組みを進めてまいります。また、健康及び体力の維持向上を図るために、引き続き、児童生徒の「歩数調査」を軸とした実態把握や体力テストを教育課程に位置づけて定期的に実施するなど体力づくりへの興味関心や意欲の高揚を図るとともに、関係機関と連携した中で、効果的な健康・体力づくりの推進に取り組んでまいります。

 

 2点目は、学校給食についてであります。次世代を担う子どもたちが、健康で豊かな人間性を育んでいく基礎とするため、「おいしくて安全・安心」であり、栄養バランスに配慮した学校給食の提供に務めてまいります。豊かな自然に恵まれた厚岸町の地場産物を積極的に取り入れ、学校、保護者、生産者や生産者団体などとの連携を深め、地産地消を推進し学校給食を通じて地域の食文化を理解し、食に関する正しい知識と食を選択する力を習得し、子どもの望ましい食生活の実践を目指してまいります。   

 

  「食」に対する意識を高めるため、栄養職員と教職員による「食育」のチームティーチングやPTAに対する食育に関する指導を引き続き実施してまいります。給食施設整備については、昨年度、給食センター建設予定地を決定し、本年度より2ヶ年事業として、重要懸案事業であった給食センター建設事業に着手いたします。

 

 新しい給食センターは、これまで以上に衛生管理に配慮した「安心・安全な給食」の提供を行うとともに、増加している各種の「食のアレルギー」にも対応できる調理場を設け、さらには研修室を確保するなど、新しい施設を活用した「食育」にも一層積極的に取り組んでまいります。

 

 3点目は、安全面についてであります。交通事故や自然災害についての安全教育及び不審者から身を守るための指導と対策につきましては、本年度も関係機関の協力の下、小学校の新入学児童に防犯ブザーを配付するとともに、教職員、保護者、地域関係者による街頭指導や通学路の安全点検、さらに、交通安全教室の開催や自転車マナーの指導などを継続し、交通安全に対する意識を高めてまいります。また、依然として社会的な問題となっている携帯電話やインターネットによるトラブルや被害を防ぐため、児童生徒向けの防犯教室の開催、「学校裏サイト」等への対応に向けた教員研修の実施、保護者の意識啓発を図るための講習会など、警察及び学校、PTAとの連携の中で取り組んでまいります。

 

 4点目は、児童生徒の安全確保に向けたスクールバス運行の拡大についてであります。現在の部活動終了後の運行は、門静・尾幌・上尾幌地区の通学生のみが対象となっており、他の運行地域の児童生徒の安全確保と利便性を高めるため、部活動終了後の帰宅スクールバス運行の拡大を検討いたします。

 

 重点の5は、「特別支援教育の充実」であります。

 1点目は、ニーズに対応する体制の充実についてであります。各学校の特別支援教育は、校内委員会やコーディネーターを中心として推進され、体制が整えられている状況ですが、この機能の一層の充実に向けて引き続きコーディネーター研修会を開催し、各学校の特別支援教育を支援してまいります。また、特別支援教育に携わる支援員を本年度は小中学校4校に配置し、児童生徒及び学校のニーズに応える体制の充実に努めます。

 

 2点目は、関係機関との連携についてであります。町内組織である厚岸町就学指導検査委員会の機能を生かし、幼児教育、学校教育、福祉・医療機関の連携を深め、きめ細かな教育への支援を推進してまいります。また、本町と浜中町による合同就学指導体制の維持及び特別支援学校や北海道教育委員会が進める巡回相談事業の活用など、町外の関係機関とも積極的に連携を深めてまいります。特に、小学校就学時における幼稚園・保育所との情報連携については、一層の充実を図るために、十分な時間を確保し、円滑に個別の支援教育が引き継がれていくよう体制整備に努めてまいります。

 

 重点の6は、「環境教育の推進・充実」であります。

 環境教育については、「豊かな環境を守り育てる基本計画」と連動し、学校における環境教育を一層充実させるための施策について申し上げます。

 1点目は、学校版厚岸町EMSの取り組みについてであります。現在、総ての小中学校において「学校版厚岸町EMS」の認定を受け、学校から家庭・地域へ広がっていく「発信型の環境教育」の展開に努めております。さらには、新学習指導要領の実施に向けて教育課程への位置づけや活動内容の見直しなど、継続した取り組みの中で活動の深化が図られるよう努めてまいります。

 

 2点目は、施設・人材、自然環境を活用した教育活動についてであります。「身の回りの環境に触れること・知ること」を基本とし、身近な自然や施設・人材などを積極的に活用した体験重視の教育活動を推進してまります。そのために、スクールバスの活用による移動手段の確保や人材派遣の協力など、学校の教育活動を積極的に支援してまいります。また、小・中・高校の連携による環境教育の推進により、児童生徒の環境に対する意識や態度の継続的な育成に努めてまいります。さらに、関係部局や関係団体と連携し、各種事業への参加を奨励したり、環境教育に資する情報を発信したりするなど、学校における環境教育推進に対して、側面からも支援するよう努めてまいります。

 

 重点の7は、「学校施設・設備の整備」であります。

  昨年度は、厚岸小学校及び厚岸中学校において、耐震診断調査の判定結果、一部耐震不足が発覚し、直ちに両校の耐震補強工事に着手いたしました。厚岸小学校につきましては、平成22年3月中には完成する予定でおりますし、厚岸中学校につきましても、継続事業として、本年秋頃までには、校舎及び屋体の補強工事が完了する予定でおります。また、片無去小中学校の耐震診断事業を実施した結果、耐震強度を表すIS値が0.3を下回り、「危険校舎」として判定を受けたところであり、当該校のPTAの皆様や地域の皆様に説明を行うとともに、今後の対応について精力的に協議を進めているところであります。

 

 本年度の、校舎等の施設整備につきましては、厚岸小学校の屋体床の補修工事及びグラウンド整備事業、さらには、真龍中学校の移転に伴う「改修設計」委託事業を実施してまいります。

 

 また、各学校及び教員住宅の管理につきましては、引き続き的確な状況把握に努め、緊急度に応じた維持補修を行うとともに、将来を見据えた改修計画や、整備計画の策定を進めてまいります。

 

  小中学校の適正配置につきましては、今後も「厚岸町立学校適正配置計画」に基づき作業を進めてまいります。

 

 以上、学校教育の充実について申し上げましたが、関連施策である幼児教育並びに高等学校教育との連携について申し上げます。

 

  幼児教育につきましては、町内の私立幼稚園児の保護者に対する所得に応じた一部補助及び幼稚園運営費に対する補助を引き続き実施してまいります。また、幼児教育から学校教育への移行がスムーズに行われるよう、教育情報の提供などを推進してまいります。

 

  高等学校教育につきましては、平成21年4月に「厚岸翔洋高等学校」が開校いたしましたが、町内唯一の高校となる翔洋高校が、生徒や保護者にとって魅力ある高校となるよう、引き続き、関係機関との連携を図ってまいります。

 

 昨年度から、町内高校へ通学する生徒の保護者負担の軽減対策として、高校通学バス定期券購入費助成を実施してまいりましたが、対象エリアを町内だけではなく、「釧路市及び浜中町」まで拡大し、翔洋高校への通学生の拡大を目指します。今後も学校等と協議しながら高校の魅力を積極的にPRすることで、地元高校への支援に努めてまいります。