○厚岸町工事請負代金の債権譲渡承諾に関する事務取扱要領
平成28年10月28日
訓令第53号
(趣旨)
第1条 この要領は、厚岸町(以下「町」という。)が発注する建設工事を請け負う建設業者(以下「元請負人」という。)が、公共工事に係る工事請負代金債権の譲渡を活用した融資制度について(平成14年12月18日付け国官会第1811号、国地契第59号、国総振第140号)に基づく下請セーフティネット債務保証事業(以下「下請セーフティネット債務保証事業」という。)又は地域建設業経営強化融資制度について(平成20年10月17日付け国総建発第197号、国総建整第154号)に基づく地域建設業経営強化融資制度(以下「下請セーフティネット事業等」という。)を利用する場合に、厚岸町建設工事請負契約約款(以下「契約約款」という。)第5条第1項ただし書に基づく請負代金債権の譲渡(以下「債権譲渡」という。)の承諾をする場合等の事務の取扱いに関し、必要な事項を定めるものとする。
(債権を譲渡できる者)
第2条 下請セーフティネット事業等を利用して請負代金債権を譲渡できる者は、元請負人のうち原則として資本の額若しくは出資の総額が20億円以下又は常時使用する従業員の数が1,500人以下の建設業者とする。
(債権を譲り受けることができる者)
第3条 下請セーフティネット事業等における請負代金債権を譲り受けることができる者は、次のいずれかに該当する者であって、財団法人建設業振興基金(以下「振興基金」という。)の債務保証を受けた者(以下「協同組合等」という。)とする。
(1) 中小企業等協同組合法(昭和24年法律第181号)に基づく事業協同組合、事業協同小組合、協同組合連合会及び協同小組合連合会
(2) 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成18年法律第48号)の規定による一般社団法人若しくは公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律(平成18年法律第49号)の規定による公益社団法人又は一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成18年法律第50号)の規定による特例社団法人のいずれかである建設業者団体
(3) その他振興基金において、振興基金の被保証者となる資格を有すると認められたもの
(対象工事)
第4条 債権譲渡の承諾の対象となる建設工事は、町が発注した工事とする。ただし、次に掲げる工事を除く。
(1) 工期が複数年度にわたる工事。ただし、次に掲げる工事を除く。
ア 債務負担行為の最終年度の工事であって、かつ、年度内に終了が見込まれる工事
イ 前年度から繰り越された工事であって、かつ、年度内に終了が見込まれる工事
ウ 債務負担行為に係る工事又は繰り越された工事において地域建設業経営強化融資制度を活用する場合であって、債権譲渡承諾依頼書の提出時点において、次年度に工期末を迎え、かつ、残工期が1年未満である工事
(2) 厚岸町建設工事低入札価格調査制度実施要領(平成20年厚岸町訓令第53号)第7条の規定による低入札価格調査を行った工事で、当該低入札価格調査を受けた者が落札者となった工事
(3) 町が役務的保証を必要とする工事
(4) その他町長が債権譲渡の承諾を不適当と認めた工事
(譲渡債権の範囲)
第5条 元請負人が下請セーフティネット事業等を利用するために、町長が、譲渡を承諾することができる工事請負代金債権の範囲は、次に掲げる債権の区分に応じ、それぞれ次に定めるとおりとする。
(1) 完成後の工事に係る請負代金債権契約約款第31条第2項の検査に合格し、引渡しを受けたでき形部分に相応する工事請負代金の額から、町が既に支払いをした前払金、中間前払金及び部分払金の額並びに当該工事請負契約により生ずる遅延損害金等の、町が当該工事請負契約に基づき元請負人に対して請求できる債権の額を控除した額
(2) 完成前に請負契約を解除した工事に係る請負代金債権契約約款第47条第1項のでき形部分の検査に合格し、引渡しを受けたでき形部分に相応する工事請負代金の額から、町が既に支払いをした前払金、中間前払金及び部分払金の額並びに当該工事請負契約により生ずる違約金等の、町が当該工事請負契約に基づき元請負人に対して請求できる債権の額を控除した額
(債権譲渡を承諾する時点)
第6条 町長は、当該工事に係るでき高(複数年度にわたる場合にあっては、最終年度の工事に係るでき高。ただし、地域建設業経営強化融資制度を活用する工期末が次年度かつ残工期が1年未満の複数年度工事の場合は、当該工事全体に対するでき高。)が、2分の1以上に到達したと認められる日以降に債権譲渡を承諾するものとする。
2 債権譲渡の承諾に当たっての当該でき高の確認については、工事履行報告書(別記様式第3号)の受領をもって足りることとする。
(債権譲渡の承諾申請)
第7条 下請セーフティネット事業等を利用しようとする元請負人は、下請セーフティネット事業等のいずれか一つのみを選択の上、協同組合等との間に、選択した制度に係る町の債権譲渡の承諾があったことを停止条件とする債権譲渡契約を締結するものとする。
2 債権譲渡の承諾を受けようとする元請負人は、協同組合等と共同して次の書類により町長に申請しなければならない。この場合において、当該申請書類の提出に当たっては町建設課に持参又は郵送によるものとし、その他の方法での提出は認めないものとする。
(1) 債権譲渡承諾依頼書 3通
ア 下請セーフティネット債務保証事業を選択する場合(別記様式第1号)
(2) 元請負人と協同組合等との間で締結済の債権譲渡契約証書の写し 1通
(3) 工事履行報告書 1通
(4) 保証委託契約約款等において、請負代金債権の譲渡につき保証人等の承諾が必要とされている場合には、当該譲渡に関する承諾を受けている旨を証するもの 1通
(5) 振興基金が発行する債務保証承諾書等の写し 1通
(債権譲渡の承諾基準)
第8条 町長は、次の全てが確認された場合に、債権譲渡を承諾するものとする。
(1) 債権譲渡承諾依頼書が提出されていること。
イ 元請負人の所在地、商号又は名称、代表者職氏名及び印が工事請負契約書と一致していること。
ウ 工事名、工事場所及び工期に誤りがなく、第4条に定める対象工事であること。
エ 請負代金額、支払済の既払金額、前払金額、中間前払金額及び部分払金額に誤りがなく、申請時点における債権譲渡額が、工事請負契約に基づき元請負人が請求できる請負代金債権金額と一致していること。
(2) 前号で選択した制度に係る締結済の債権譲渡契約証書の写しが提出されていること。
元請負人及び債権譲受人の所在地、商号又は名称及び代表者職氏名が債権譲渡承諾依頼書のものと一致していること。
(3) 当該工事が、契約保証金相当額を保険又は保証によって担保されている工事で、保険又は保証約款等により承諾が義務付けられている場合は、必要な承諾を受けている旨を証するものが提出されていること。
ア 承諾書の写しは、申請内容と相違がなく、適正な相手方が発行したものであることが確認できること。
イ 町に提出済の保険又は保険証券等及び約款等と前項の相手方及び承諾書の記載内容が一致していること。
(4) 工事履歴報告書が提出されていること。
ア 当該工事のでき高(複数年度にわたる場合にあっては、最終年度の工事に係るでき高。ただし、地域建設業経営強化融資制度を活用する工期末が次年度かつ残工期が1年未満の複数年度工事の場合は、当該工事全体に対するでき高。)が2分の1以上であることを確認すること。
イ 元請負人が作成していること。
ウ 元請負人の所在地、商号又は名称、代表者職氏名及び印が、債権譲渡承諾依頼書のものと一致していること。
(5) 当該工事請負契約が解除されていないこと、又は契約約款第44条の2各号に該当するおそれがないこと。
(6) 元請負人が当該工事請負代金債権の債権者であること。
(7) 振興基金が協同組合等に対して発行した保証事業についての債務保証承諾書等の写しが提出されていること。
2 前項の規定による債権譲渡承諾書の交付は、第7条に基づく申請書類の提出を受けた日から7日以内に行うものとする。この場合において、交付期限日が休日(厚岸町の休日を定める条例(平成3年厚岸町条例第28号)第1条第1項第2号又は第3号に定める日をいう。)、日曜日又は土曜日に当たるときは、順次これを繰り下げる。
3 町長は、債権譲渡整理簿により債権譲渡の承諾の申請及び承諾状況を管理するものとする。
(でき形確認)
第11条 保証事業における債権譲渡契約の締結、融資審査手続等においてでき形確認が必要な場合は、協同組合等が当該でき形確認を行うものとする。
3 前項の工事でき高査定協力依頼書の提出があった場合は、町長は、工程に支障のない範囲内で工事現場への立入りを承諾するものとする。
(債権譲渡承諾後の前金払等の取扱)
第12条 債権譲渡承諾後は、当該工事については、前金払、中間前金払及び部分払(地域建設業経営強化融資制度を活用する工期末が次年度かつ残工期が1年未満の複数年度工事については、会計年度末における部分払を除く。)の請求はできないこととする。なお、地域建設業経営強化融資制度を活用する工期末が次年度かつ残工期が1年未満の複数年度工事については、最終年度における前金払、中間前金払及び部分払の請求はできないこととする。
(融資実行の報告)
第13条 元請負人及び協同組合等は、町の債権譲渡の承諾を受けた後、金銭消費貸借契約を締結し当該契約に基づく融資が実行された場合には、速やかに連署にて融資実行報告書(別記様式第6号)を提出しなければならない。
(請負代金の請求等)
第14条 債権譲受人は、元請負人が請負契約に定められた検査等の所定の手続を経て、請負代金の額が確定した後、初めて譲り受けた請負代金債権の範囲内で支払を請求することができる。
2 債権譲渡承諾後は、債権譲渡人は、請負代金等の請求をすることができない。
3 債権譲受人が、当該債権の支払を請求するときは、次に掲げる書類を町長に提出するものとする。この場合において、当該申請書類の提出に当たっては町建設課に持参又は郵送によるものとし、その他の方法での提出は認めないものとする。
(1) 工事請負代金請求書(別記様式第7号) 1通
(2) 町の承諾印押印済の債権譲渡承諾書の写し 1通
4 町長は、前項各号の書類により請求者の請求権及び債権金額等を確認の上、所定の手続を経て当該工事請負契約に係る債権の額を支払うものとする。
(不正時の対応)
第15条 保証事業の監督官庁、協同組合等の監督官庁、振興基金、又は捜査機関等が、元請負人又は協同組合等が保証事業に関し不正を行ったと認めたときは、町長は、当該不正を行った元請負人又は協同組合等を本要領の債権を譲渡することができる者又は債権を譲り受けることができる者の対象から除外するものとする。
2 元請負人又は協同組合等が提出した書面等が明らかに偽造、改ざん等がなされた不正なものであったときは、町長は、保証事業の監督官庁、協同組合等の監督官庁及び振興基金にその事実を通報するものとする。
(その他)
第16条 この要領に定めるもののほか、下請セーフティネット事業等における債権譲渡の承諾に関し必要な事項については、町長がその都度定める。
附則
(施行期日)
1 この訓令は、平成28年12月1日から施行する。
(経過措置)
2 この訓令は、施行日以降締結される工事請負契約に係る請負代金債権及び施行日前に締結された工事請負契約であって施行日において請負代金債権が支払われていないものについて適用し、既に請負代金債権が支払われたものについては、なお従前の例による。
(地域建設業経営強化融資制度の効力)
3 この訓令のうち、地域建設業経営強化融資制度に係る事務取扱は、平成33年3月31日までの間に限り行うものとする。
附則(令和5年9月29日訓令第61号)
(施行期日)
1 この訓令は、令和5年10月1日から施行する。
(経過措置)
2 この訓令の施行の際、この訓令による改正前の各訓令の様式による用紙で、現に残存するものは、所要の修正を加え、なお使用することができる。