○厚岸町認知症初期集中支援推進事業実施規則

平成30年3月22日

規則第5号

(目的)

第1条 この規則は、介護保険法(平成9年法律第123号)第115条の45第2項第6号の規定に基づき、認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で暮らし続けることができるよう、認知症の人とその家族に早期に関わる認知症初期集中支援チーム(以下「支援チーム」という。)を置き、早期診断及び早期対応に向けた支援体制を構築することを目的とする。

(実施主体)

第2条 この事業の実施主体は、厚岸町(以下「町」という。)とする。

2 町長は、この事業の全部又は一部について、適切な事業運営が確保できると認められる団体等に委託することができる。

(実施体制)

第3条 支援チームは、厚岸町地域包括支援センターに置く。

2 支援チームは、認知症に係る専門的な知識及び技能を有する医師の指導の下、複数の専門職が家族の訴え等により認知症が疑われる人又は認知症の人(以下「訪問支援対象者」という。)及びその家族を訪問し、観察、評価及び家族支援等の初期の支援を包括的かつ集中的に行い、自立生活のサポートを行うものとする。

3 支援チームは、地域包括支援センター職員、かかりつけ医、国が国立研究開発法人国立長寿医療研究センターに委託して実施する認知症サポート医養成研修を修了した認知症サポート医(以下「認知症サポート医」という。)、介護事業者等との連携を常に意識し、情報の共有に努めるものとする。

(支援チームの構成員)

第4条 支援チームの構成員(以下「チーム員」という。)は、第1号に定める要件を満たす専門職(以下「専門職」という。)2人以上と、第2号に定める要件を満たす専門医(以下「専門医」という。)1人以上の計3人以上で編成する。

(1) 専門職は、次に掲げる要件を全て満たす者とする。

 保健師、看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、精神保健福祉士、介護支援専門員又は介護福祉士であって、かつ、認知症の医療や介護の専門的知識及び経験を有する者

 認知症ケア又は在宅ケアの実務、相談業務等に3年以上携わった経験がある者

 国が別途定める「認知症初期集中支援チーム員研修」を受講した者又はチーム員のいずれかが当該研修を修了し、チーム員内で必要な知識及び技能を共有した者

(2) 専門医は、日本老年精神学会若しくは日本認知症学会の定める専門医又は認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした5年以上の臨床経験を有する医師のいずれかに該当し、かつ、認知症サポート医であるものとする。ただし、当該医師の確保が困難な場合には、次に掲げる医師も認めるものとする。

 日本老年精神学会若しくは日本認知症学会の定める専門医又は認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした5年以上の臨床経験を有する医師であって、今後5年間で前条第3項に定める認知症サポート医養成研修を受講する予定のある者

 認知症サポート医であって、認知症疾患の診断及び治療に5年以上従事した経験を有する者(認知症疾患医療センター等の専門医と連携を図っている場合に限る。)

(チーム員の役割)

第5条 専門職は、訪問支援対象者の認知症の包括的観察・評価に基づく初期集中支援を行うための訪問活動等を行う。

2 専門医は、認知症に関して専門的見識から他のチーム員に対して指導又は助言を行うとともに、必要に応じてチーム員に同行して訪問支援対象者等を訪問し、相談に応じるものとする。

3 初回の訪問は、原則として、医療系職員と介護系職員それぞれ1人以上の計2人以上で訪問することとする。

(訪問支援対象者)

第6条 訪問支援対象者は、原則として、町内に住所を有する満40歳以上の者で、在宅で生活し、かつ、次のいずれかに該当するものとする。

(1) 医療サービス又は介護サービスを受けていない者若しくは中断している者で、次のいずれかに該当するもの

 認知症疾患の臨床診断を受けていない者

 継続的な医療サービスを受けていない者

 適切な介護サービスに結び付いていない者

 介護サービスが中断している者

(2) 医療サービス又は介護サービスを受けているが認知症の行動及び心理症状が顕著なため、対応に苦慮している者

(事業内容)

第7条 支援チームが実施する事業の種類及び内容は、次のとおりとする。

(1) 広報活動 町民、関係機関及び団体に対し、支援チームの役割や機能について周知を行うものとする。

(2) 協力依頼 関係機関及び団体に対し、必要に応じ支援チームへの協力を依頼するものとする。

(3) 認知症初期集中支援 訪問支援対象者に対し、次に掲げる支援を行うものとする。

 訪問支援対象者の把握 訪問支援対象者に関する情報に関して、関係機関と連携し、情報の共有に努めるものとする。

 情報収集及び観察・評価 訪問支援対象者のほか家族等であらかじめ協力の得られる人が同席できるよう調整を行い、訪問支援対象者の現病歴、既往歴、生活情報等及び家族の状況等の情報収集を行い、認知症の包括的観察・評価を行うものとする。

 初回訪問時の支援 初回訪問時に、認知症の包括的観察・評価、基本的な認知症に関する正しい情報の提供、専門的医療機関への受診及び介護保険サービスの利用の効果に関する説明並びに訪問支援対象者及びその家族の心理的サポート、助言等を行うものとする。

 専門医を含めたチーム員会議の開催 初回訪問後、訪問支援対象者ごとに観察・評価内容を総合的に確認し、支援方針、支援内容、支援頻度等を検討するため、専門医を含めたチーム員会議を開催することとし、必要に応じて、訪問支援対象者のかかりつけ医、介護支援専門員、関係する職員等の参加を依頼するものとする。

 初期集中支援の実施 医療機関への受診が必要な訪問支援対象者への動機付け、継続的な医療サービスの利用に至るまでの支援、介護サービスの利用等の勧奨及び誘導、認知症の重症度に応じた助言、身体を整えるケア、生活環境の改善等の支援を行う。この場合において、支援期間は、訪問支援対象者が医療サービス又は介護サービスによる安定的な支援に移行するまでの間とし、概ね最長で6箇月とする。

 引継ぎ後のモニタリング 初期集中の終了をチーム員会議で判断した場合、担当介護支援専門員、地域包括支援センター職員等と同行訪問を行う等の方法で円滑に引継ぎを行うこととし、チーム員会議において、引継ぎの2箇月後に、サービスの利用状況等を評価し、必要性を判断の上、随時モニタリングを行うものとする。

 記録等の保管 訪問支援対象者に関する情報、観察・評価結果、初期集中支援の内容等を記録した書類は、業務が完了した日が属する年度の終了後、5年間保管するものとする。

 支援実施中の情報の共有 訪問支援対象者に関する情報は、関係機関と情報共有を図るものとする。

(守秘義務)

第8条 チーム員は、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)の規定を踏まえ、この業務に関して知り得た訪問支援対象者及び対象者世帯の個人情報の保護に万全を期すものとし、正当な理由がなく秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。

(町の責務)

第9条 町は、厚岸町認知症地域支援推進事業実施要綱(平成30年厚岸町訓令第8号)第1条に定める認知症地域支援推進員と支援チームが効率的かつ有機的に連携できるように調整を行い、定期的な情報交換ができる環境をつくるように努めなければならない。

2 町は、医療機関及び認知症疾患医療センター等との連携に努めなければならない。

3 町は、この事業に関して、町外の訪問支援対象者の情報提供を得た場合においても、当該訪問支援対象者及び家族等から情報提供について同意を得た上で、当該訪問支援対象者が居住する市町村の地域包括支援センター等に情報を提供する等の連携に努めなければならない

(支援チームの活動状況の評価及び検討)

第10条 支援チームの活動状況の評価及び検討は、厚岸町地域包括支援センター運営協議会において行う。

(その他)

第11条 この規則に定めるもののほか、この事業の実施に関し必要な事項は、町長が別に定める。

この規則は、平成30年4月1日から施行する。

(令和2年3月16日規則第12号)

この規則は、令和2年4月1日から施行する。

(令和5年3月31日規則第15号)

この規則は、令和5年4月1日から施行する。

厚岸町認知症初期集中支援推進事業実施規則

平成30年3月22日 規則第5号

(令和5年4月1日施行)