正行寺本堂

 浄土真宗大谷派では、北海道の開拓にあわせて布教活動を行い、明治12年(1879)、当時、札幌別院在勤中の朝日恵明が厚岸に派遣され、厚岸説教所を開設しました。当初、湾月町の借家をあてていましたが、同14年現在地に本堂を新築し、同16年に正行寺と名のることを許されました。

 現在の本堂は、新潟県西頸城郡西海村大字平牛(現糸魚川市)の浄土真宗満長寺本堂(寛政11年(1799)建築)を購入して現在地に移築したもので、明治42年に解体して船で輸送し、同44年に落慶法要が営まれています。

 本堂は、正面18.3m、側面21mで、正面に向拝、内部には内陣、余間、外陣、参詣間を有し、要所に彫刻を配しています。特に内陣廻りの唐狭間には牡丹の透かし彫りや極彩色を施しており、北海道の近世寺院としては、豪華で格調高く、移築に当たって加えられた改造も北海道の気候風土にあわせていて、興味深いものとなっています。

 移築の関係文書もよく残っており、北海道の開拓に伴う建築文化を知る上でも貴重な存在です。
重要文化財国指定
指定年月日平成4年1月21日
所在地厚岸町梅香1丁目
主な交通機関厚岸駅よりバスにて桜通り下車、徒歩3分
車の場合、厚岸駅より約3km
ミニ情報観覧希望の場合、事前に正行寺に連絡してください。
【正行寺】電話番号:0153-52-2443
このページの情報に関するお問い合わせ先
厚岸町海事記念館TEL:0153-52-4040